出演情報のほうにも追記しましたが、『ア・ブライト・ニュー・ボイシー』の翻訳演出のカルヴィンこと下平くんのコメントを原文ママで掲載します。彼のクレバーさと今作への覚悟が垣間見えると思います。

■ 下平慶祐コメント

サミュエル・D・ハンターの戯曲の魅力は「小さな町の大きな渦」だと思っています。 本作ではアイダホ州のスーパーマーケットを舞台に、新たに雇用された主人公のウィルが抱えている、 ある過去の出来事が発端となり、従業員たちの間で巻き起こるドラマを描いています。

私は昨年NYでのリバイバル上演を実際に現地で観劇したのですが、日本から遠く離れたアイダホ州を舞台にしたこの物語に、とても親近感を覚えました。 国は違えど、どんな場所でもそこには誰かの生活があり、作中で描かれている普遍的な人間ドラマは、 私たちにとっても身近な物語だと感じました。

それが日本で上演したいと強く思った理由です。

今回のプロジェクトでは20人の俳優に集まっていただき、戯曲の力、そして俳優の力を最大限に活かすことを大切にしています。 演劇という渦を生み出すためには、俳優に全幅の信頼をおき、また、翻訳台本も俳優が信頼できるものを用意しなければなりません。

本作の見どころはまさにそこにあり、何気ない平易な会話から生み出される大きな渦を、 劇場で体感していただければと思います。