たまに舞台公演の千秋楽後にやる“僕なりのプロダクション•ノート”的なアレです。
『中尾竹尾のおやこ劇場』ご鑑賞くださった皆皆様、誠に有難う御座いました。特に業界関係者からも好評で嬉しい限りです。
久しぶりに積極的に告知のご連絡をさせていただきました。いつも通りスルーなお方もいらっしゃいましたがこんな機会でもないとなかなか連絡とれない方々と告知を言い訳にしてメッセンジャーのやり取りを出来たのがとても有り難かったです。
【動き出し】
さてさて『中尾竹尾のおやこ劇場』。自分としての公演プロデュースとしては2013年かな?“90分即興劇”と告知してしまい死ぬ思いで7ステージを乗り切った飯野雅彦さんとの2人きりの即興劇公演『いいのたけお』以来でした。(以降小規模なカフェイベント的なプロデュースなどは数多やってますが。)
【監督】
監督、演劇的に言うと演出を担当してくださったワタナベカズキさんとは2009年の“スペースノイド的演劇遊戯”『思い出回収』から公私ともに仲良くさせていただいており、事ある毎に『お父(中尾隆聖)さんと二人芝居やったほうがいいんじゃないですかねー?』の様な事をとくに近年言ってもらえていて、とはいえ2012.2017.2024と舞台演劇では父とご一緒させていただいており自分としては、『そうかー、いつかやってみるかー』などと思っているウチに自分もいい年齢になり、、、2025になってから重い腰をよっこらしょしました。
【場所】
同じくワタナベカズキ監督プロデュースの映像作品で2022年に使わせてもらったLEDパネルで囲まれたスタジオ『BLACK BOX』で何か創作をしたいと思い監督と共にスタジオのお方とミーティングをさせてもらいました。スタジオを抱える南青山の会社には高層階に素敵なバー風スタジオがありそこで楽しすぎる飲み会ミーティングでした(バー風配信スタジオの形なのでお酒や食べ物は持ち込んだりご用意賜ったり)。そして國分さんというその会社のお方の協力もあり、ようやく企画が始動できるコトとなりました。
【父、戯曲の選定】
父にオファーをしつつ相談したところ2025年の10月中旬の週はリハーサルと本番収録が出来そうだという事と、オオタスセリさんと増本庄一郎さんの短編戯曲をお借りするのはどうか、と提案され、自分も板尾創路さんとほっしゃん。さんが演じられていた吉本映画版の『草々曲』や『Bambi show』も観ていたし度々開催されるオオタスセリさんの戯曲によるコント芝居を観ていたので、大賛成。(元々はtpt (シアタープロジェクト東京)で2006年頃観たクローンのハナシ『A NUMBER』や『動物園物語』がいいんじゃないかなと勝手に思ってましたが今回は日本のハナシに。)
スタッフさんやキャスト、稽古場の選定などを決めているとあれよあれよと2025の夏が過ぎようとしてました。
脚本利用を快諾してくださり、『バス停』は女性2人を男性設定に、『草々曲』は関西コトバの2人を標準語に、それからいただいたBANBI SHOW版のメイン2人以外のキャスト登場を最小限に書き直していただき、10月。父の三越劇場での翻訳劇千秋楽翌日に読み合わせから開始。
【10月6日】
ワタナベ監督と話し合って作成していただいた『バス停』の美術(背景LED)のプランを父が却下。『草々曲』のメインの2人以外をLED部分の映像部分に登場させ芝居に絡ませるプランも父が却下。出演くださる皆様に即座に連絡し、10/19の本番収録日とその前の数日の稽古参加が、可能かの問い合わせ。なかなかハードな読み合わせ初日でした(結果的にはその両プランの変更が作品に深みを与えたと思います。)
【稽古】
自分のセリフ覚えの悪さに辟易を通り越して絶望しつつ稽古の終盤の5日間は下北沢の本多スタジオを利用しました。このスタジオを利用するのも10年ちょいぶり、しかも今年の6月頃には地域の開発の為に閉鎖が決定しているという、、また演劇の景色がひとつ消えるのだなぁ。。ワタナベカズキ監督の演出は昔から比べると円熟みを増したなあという実感でした。そして“父も元気なウチに一緒に芝居を”の筈が一番元気だったのが父でした、笑。この稽古期間の前後に舞台公演があり、その他に活弁的な公演、毎週のレギュラー収録などもあり疲弊して稽古場に来る事もありましたがシーンが始まると水を得た魚、雲を得た竜?すざまじいパワーを繰り出してくるのでした。現場で全力を尽くす姿勢、忘れてはいけませんね。そして円熟みを増したワタナベ演出の手腕でどんどん俳優を乗せていき、父も戯曲への理解度の深さなどもありどんどんとキャラクターが仕上がっていました。さぁて、自分は、?いつも乍らスロースターターだなぁと思いつつも自分で企画してるんだから俳優としてもっと準備しなさいよ。あぁ本当に毎日そう思ってました。稽古の途中でも父に似たようなことを言われたっけな、仕事現場で親父に怒られる47歳男性えっへへ。
父は企画段階から、可能であれば小劇場でやりたいと言っていまして、、分かる、分かるんだけれどもコロナ以降ガラリと時代は変わったと思う自分もおりまして、今回はいつでもどこでも作品を持ち出せるパッケージを作りたい、そしてBLACK BOXの空間で繰り広げられる物語は没入感の高い作品になりうるという変な確信がありまして、今回はその形でプロデュースしました。稽古の最終日は収録当日カメラを担当される方々が5〜6人来まして、まぁ台本片手に“物理的に”通し稽古を、もちろんクスりともせず見つめて稽古後にはワタナベ監督とカメラ打ち合わせをしていまして、別室で衣裳を脱ぎ帰り支度をしてる親父が『あーやっぱり生でやる舞台がいいなぁ〜』と小声でぼやいてまして、、
、わかる、わかるよでもね、今回はこれでいくんです。
【10月19日】
さて収録日、といいますか収録日にはマラソン大会があり大規模な交通規制があるとの技術スタッフさんのアナウンスがあり、スタジオと交渉し、制作車両を前日に納車できるとなり稽古最終日に荷積みした制作車両(ケータリングや衣裳小道具などを積載)をスタジオに停め置き、電車で帰宅。で、収録日は早朝からスタジオへ。スタジオは入りから退出までの決まりは9時間。その間に『バス停』と『草々曲』をリハし、トラブルがない限り1本そのまま止めずに収録するというスリリングなイチニチ。
自分は制作まわりや色々諸々の動きでそんな時間も無かったですが、親父も現地で台本を開いて無かった様です。かっけー。
リハと本番1回ずつの時間枠なので、技術的にも俳優部的にも少しでもNGが出たら即座に止めで頭からまた収録してください!とお願いしてましたがなんとか止まる事なく収録を終えました。草々曲に登場する流れになった4人の俳優さんも立ち位置などかなりシビアな決まりがある中生き生きと演じてくれてました、本当に素晴らしい俳優さんたちです。選んだオイラのセンスよ!
制作部で用意した3種のお弁当+母のいなり寿司も大好評で緊張感がありつつもタイムテーブル通り、楽しい時間として9時間を過ごさせてもらいました。
収録現地で打ち上げをする余裕も無くその日は制作車で荷返し。(実家近辺で焼肉を父、キャストの平田暁子さんと。)
【仕上げ】
ワタナベカズキ監督と整音と音楽のミヤジマジュンさんによる丁寧な作り込みの期間があり、そして2026年の元日に完成した作品を自宅PCで初めて見させてもらいました。もうほぼ完成。エンドロールの修正を少し伝えた以外はもう完全に出来上がってました。、で、ほっとしたんですよね。無事にトラブルもなく収録が終わって作品が完成して。でようやく今回の配信に至りました。
配信最終日になるにつれて沢山のご感想をいただきました。ご感想のほかにちょっとした疑問やこのプロジェクトの経緯や今の自分の現状と照らし合わせての感想だったり、この作品、この脚本の豊かさなのだと実感しました。
今後もまたどこかでお目にかかれる様続けていきたいとおもっています。またどうぞ、2025年10月19日頃の僕たちに会いにいらしてください。
重ねて、この度は配信に際しお心寄せ賜り誠に有難う御座いました。
竹尾一真



