はきだして、書きとめて、忘れる事にしましょう

『golem、胎児、形なきもの』
長い長いセリフのループから抜け出せず、楽しかったが故に「もっとあぁ演じていたら」という俳優のエゴが頭の中を独り歩きしてもう面倒臭いのです。(役が抜けないなんてカッコいいあれじゃなく単にセリフ覚えの悪いポンコツのリハビリです。)

もうゲームは終了しているのです。

再演が例えあってもこの独りカラオケ演劇はリスクでしかありません。

出会い、取り組み、じぶんなりのプロダクション・ノート。という事で、つらつらと。もし観劇されていて且つおヒマでしたらお付き合いくださいませ。話がとっちらかるかもしれませんが、、

ちょうど今月末『いいの たけお』で立ち上げた自身の団体?ユニットのクリエイティブ スクエア・プロデュース / ズボラザ の第二弾として御笠ノ忠次さんの作品の再演を画策しておりました。えーと1月だったか2月だったか。がしかし!諸事情によりその期間では制作準備が間に合わず断念、そんな折に御笠ノさんの紹介でマーリープロジェクトの2人(大久保凛さんと福原舞弓さん)に出会いました。

当初の企画から変わり産婦人科医の菊田昇氏についての作品になると言うので、出演することにした次第です。

友人でもあるデザイナーの菊田参号さんの大叔父がその菊田昇医師で、お酒の席でいつか大叔父の事を舞台にしてほしい、と語っていたなぁ、、そんな想いもありまして。

3月初旬に顔合わせ雑談。2009年の「おはようおじさん」でご一緒させていただいた里村孝雄さんも参加!
…て事は里村さんが菊田医師。おそらく現代パートを担うであろう宮下雄也さんと2つの時間軸を行き来するのか??竹尾は物語の何処に行くのか??
顔合わせの雑談ではそんな話は一切なく、笑。つつがなく楽しく終えました。

顔合わせは6/8、おなじみの「雑談稽古」毎日基本1シーンずつ渡されても読み合わせは基本1回!な稽古序盤はおもに堕胎や妊娠、SEXについて大いに語り合いました!笑いやいや、大げさじゃなく、かなり真面目に。
女子トークばりに女性陣のトークが炸裂すると一様に男子キャストは下を向いてしまうのでした。

御笠ノ氏は客席と舞台空間について、グループディスカッションの場、居心地の悪い空間。と言ってました。

舞台美術の方が装置のミニチュアを早い段階から稽古場にお持ちいただいていたのでイメージは容易でした、が開演前から全て晒されてしまう空間、密度。こいつぁなかなかヘヴィーな事になるぞと皆で覚悟したものです。

初舞台の方から半世紀は演劇に身を捧げた方までいて取り組む姿勢や打ち出し方も様々で稽古場は笑いが絶えませんでした。取捨選択するけれども許容の広い演出だったのもあるでしょね。自分としてはなるべく真面目にならずにマトモの振り幅を広げる稽古だったと思います。(おかげさまで変態やら気狂い呼ばわりされる始末。ちなみにコンドームはト書きです!アドリブに非ず!!笑)

本番を複数ご覧いただいたお方はわかると思うのですが、その日の創平さん(宮下雄也さん演じる)の状態も日々違っていたのでそれをどうとりもって次のシーンに渡すか、、なので自分も立ち位置やセリフの出方が随分自由だったと思います。

自分は川村というある新興宗教の信者でした。衣裳合わせの時に自分は裸足を提案し、「(この世に)居ない人の様な気がするんですよね、」という自分の勝手な川村感を理解してくれた演出には感謝してます。嬉しかったです。ま、靴は履きましたが、笑

創平さんの旅に頭の中にピョーンと入り込んで来るやつ、、場面によってはそんなイメージで居ました。

みんなでバトンをつなぎ、本当に微妙な流れで違う創平さんのエンディングを迎える時もありました。お客様に作用されている場合が殆どなのです。

もう回想なのか言い訳なのかわからなくなってきたのでここいらで一度終えます。おそらく2度3度加筆訂正してるかもしれません。

とにかく刺激的で忘れられない公演となりました。こんなカンパニーに仕上げたマーリーの二人は本当に凄いと思う、自分よりも若いのに、、。感謝しています。もちろん、来てくださった皆様も。
写真こそあげておりませんが、お花やお手紙やプレゼント、嬉しかったです。

…画像について…
稽古場のほとんどは東京タワーの麓でした。あのタワーには色々な私情があったのですが今回の濃密な日々でそれが塗り替えられた、と思います。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。

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