「優しすぎるのも毒なんだよ。」
空になったスティック・シュガーを伊達巻きみたいにぐるぐるにしながら乙(ここではミサとでもしておこう)は言った。
「んー。。」
と、甲(同様にここでは翔(メグル)、とでもしておく)。
何の気無しに話した恋愛相談がたちまちミサによるお説教。
彼女を紹介したわけでも無いのにイチイチ的を得たことをコメントして来ることが酌にさわる。そしてグウの音も出ない、、6歳も下なのに。
相変わらずの寂れっぷりの「ティールーム綾田」。築40年に迫るこのボロマンションの地主がほぼほぼ趣味で営業している喫茶店。ティールームのくせして一番人気は「アメリカン(激安)」
2人がよくここで落ち合うのは家から近いこと武蔵関で一番寂れていること
そして無尽蔵にお冷が出てくるからだ。
ぉ出てきた出てきた、
「さっきぃ〜お昼?地震あったっしょ〜?」
こびとづかんに出てくるオッサン顔を天日干ししたようなツラのおばちゃんが氷ゼロのお冷を持って寄って来た。
「ぇ?あったかなぁ、」
「知らんち。」
「エネーチケーでゆってたよ?トチギとかイバラギとか、道路があれしたって。」
「イバラキね。」
「んぇ?」
「イバラ キ 。」
き でも ぎ でもどっちでも良くて、このぞうりむしのおばちゃんは常連の翔とミサが付き合ってるのか付き合ってないのかを確かめたくて寄ってくるだけなのだ。
(つ、つづく)
手・文 竹尾一真



